あぶない!熟年者が陥りがちな低栄養。健診の結果は?症状と原因を知って低栄養を予防しましょう
食事
低栄養とは食欲の低下や食事が食べにくいなどの理由から徐々に食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーや筋肉や皮膚、内臓などをつくるたんぱく質が不足した状態のことをいいます。
低栄養の症状
日々の食事が気づかないうちに栄養が減っていたり、偏っていたりすることによって身体に以下の様々な変化が起こります。
- 体重減少
- 骨格筋の筋肉量や筋力の低下
- 元気がない
- 風邪など感染症にかかりやすく、治りにくい
- 傷や褥瘡(じょくそう:床ずれ)が治りにくい
- 下半身や腹部がむくみやすい
また、食事量が減ると同時に水分の摂取量も減るため脱水症状がみられることもあります。
脱水と低栄養の両方でみられる症状
- 食欲がない
- 口の中が乾いている
- 皮膚が乾燥し弾力がない
- 唾液に粘り(べたべたした感じ)がある
低栄養の原因
低栄養の原因は、生活環境、年齢に伴う機能の低下、精神的要因など1つないし複数の要因が重なって食欲低下や食事摂取量の減少、偏った食事になります。食事量が減れば体力もなくなるため、活動量も減り食欲低下となり、結果的に低栄養を招く悪循環になります。
低栄養の主な原因
(1) 高齢者夫婦世帯や独居世帯による孤食
毎食食事を作るのが大変、毎日同じものは飽きる、食事が楽しくない、1人だから簡単に済ませる(ご飯とお味噌汁のみ、菓子パンや麺類と単品メニュー)、野菜やお肉、お魚などの値段が高いという経済的問題などがあげられます。また肥満やコレステロールが気になり、動物性たんぱく質(肉類、卵、乳製品)を極力控える傾向があります。
(2) 咀嚼(そしゃく:噛むこと)や嚥下(えんげ:飲み込むこと)など口腔機能の低下
義歯による痛みによってお肉や野菜などの硬い食べ物、食物繊維が多い食材を控え柔らかくて食べやすいお粥やペースト状の食事が中心になると、必要なエネルギーやたんぱく質が不足します。
(3) 味覚や嗅覚低下
味覚が低下するため、味の濃いものを好みますが、高血圧があると減塩にするため味が感じられず、食欲がわかず食事量が減ることがあります。
(4) その他
食事量や活動量の減少は蠕動運動(腸の働き)の低下による便秘や空腹感が起きにくくなるため、食欲の低下につながります。また唾液の分泌の低下によりむせ込みを防ぐため、お粥など水分が多く糖質が多い食品を選びます。
低栄養の診断
身体計測
体重の変化は低栄養状態を把握するうえでとても重要です。
低栄養のリスクの目安
「体重が6か月間に2から3kg減少」または「1から6か月間の体重減少率が3%以上」 BMI(体格指数)は18.5未満が「やせ」の範囲で、18.5未満より下がるほど死亡率が高くなります。
血液検査値
血清アルブミン値3.5g/dl未満
血中総コレステロール値 150mg/dl
血中ヘモグロビン値
低栄養のケア・予防
1日3食食べる
1回に食べる量が少ないため、1日3食食事をしないと1日に必要なエネルギーやたんぱく質が不足します。
また規則正しい食事リズムは生活リズムを整えることにもなり、活動することで空腹感も感じられ、きちんと食事がとれます。
楽しい食事にし、美味しく食べる
デイサービスなど地域支援事業に参加し、外出する機会をつくり誰かと一緒に食事をし、楽しむようにします。
バランスよく食べる
菓子パンや麺類など単品メニューにせず、肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などたんぱく質を多く含む食品を毎食おかずに1品入れましょう。好きな物だけに偏らず、少量でバランスよく食べましょう。
以上公益財団法人長寿科学振興財団のホームページより抜粋
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